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不動産バブルについて

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昨日、このスーパーニュースを読んでくれている知人から、記事に関する意見をもらいました。

知人は不動産業界に従事しており、昨日の下記ニュース記事において私が不動産バブルが実体経済になんら貢献しない、と述べたことに対して、反論をしてくれました。

知人の意見とは、「都市計画、街づくりというのは、人間の生活の基礎をなすものであって、非常に大切であり、優れた都市計画は人の暮らしを間違いなく向上させるはずだ。」というものでした。

 

この知人の意見、私は

 

非常に賛成

 

です。

ただ、昨日の記事において触れた「不動産バブル」と知人の言う「都市計画」は似て非なる物です。本日は、昨日の記事に補足を加えさせていただこうと思います。

 

不動産バブル、正確に言いますと「私が定義している不動産バブル」は、銀行貸付によって不動産価格が高騰すること、です。

不動産業においてなぜ利益が生まれるかといいますと、開発行為を伴うからです。(仲介業を除きます。仲介は仲介でマッチング機能を果たし手数料を収受する、一種の実業だと思いますが、バブルの話とは少し関係ありませんので)

 

例えば、無秩序に並んだ古家群よりも、表参道ヒルズのほうが買い物に行きたくなりますよね。それまでは古家でしたので、家賃として月額9万円しか稼げなかった不動産が、若者や観光客が押し寄せるブランドビルになると、同じ面積で月額数百万利益が生まれるようになったとすれば、それは不動産価格が上昇しても合理的なことです。

 

また、大掛かりな不動産業でいいますと、昔の小田急のように、人里離れた山奥に鉄道を通して大観光地にすることで、地価が上がったりします。

 

これらは資産をより有効に使う手助けをしている為に利益が生まれますので、バブルとは言えません。

 

一方、バブルによる地価上昇、銀行貸付による地価上昇とは何でしょうか?

 

以前の記事(マイナス金利について)にも書きましたが、銀行は貸付実務上、どうしても不動産を担保にとった貸付をせざるを得ません。

また、一貸付あたりの規模を増やしませんと、メガバンク等の貸出残高100兆円は維持できませんので、ITや小売のような実業より、どうしても不動産業に貸付けてしまいます。

今のような金融緩和環境においては、銀行貸付を通じませんと、日銀当座預金から我々民間にはお金が下りてきません。銀行も、緩和マネーを貸し出す社会的使命を背負ってますので、あふれたマネーはジャブジャブと不動産に対して貸し付けられます。

とにかくお金が余っておりますので、銀行は貸したくて仕方がありません。

そこに加えて、緩和環境でありますので、低金利環境でもあります。

以前、不動産価格は収入を利回りで除して求める、と書きました。

年間1000万円の賃料収入がある不動産があったとして、利回りを10%だとするとその不動産は1億円の価値がある、ということです。賃料が2倍になれば不動産価格も2倍になっていくというわけです。

 

ここで問題なのが、「利回りがどうやって決まるの?」という事です。

 

適正な利回りって何なのでしょう?結論的には市場が決めるわけですが、実は利回りを決めるルールと言うか学説と言いますか、セオリーのようなものがあって、市場も一応はこれを物差しとして利回りを決めているのです。

 

CAPM理論、という理論があります。リスクフリーレートにリスクプレミアムを足した料率を算出し、その利回りでNPV(割引現在価値)と言うものを出して資産の価格を決めよう、という理論です。

NPVとは、将来入ってくるキャッシュの価値を現在の価値に割り戻した金額のことです。来月もらえる一万円よりも今手元に一万円もらった方が価値って高いですよね?それを計算で出したものがNPVになります。

ちなみに、永久配当公式というのがあり、永遠に年10%入ってくるキャッシュの現在価値は、年キャッシュ収入を10%で割るだけで算出できます。グーグルなどで検索すれば公式にいたるまでの方程式を見ることが出来ますので興味のある方は是非。そんなに難しく有りません。

 

実務上、リスクフリーレートは簡単です、国債の利回りを使います。

問題なのは、リスクプレミアムです。

 

皆さん、国債に比べて不動産のリスクってどのくらい高いと思いますか?どうやって出すと思いますか?

分かりませんよね。

私にも分かりません。

 

じゃあ、偉い学者さんは知っているのでしょうか?

恐ろしいことに、

 

実は知らない

 

のです。

 

厳密に言いますと、国債レートだってリスクフリーじゃありませんしね。

じゃあ、今の実務上はどうやって出しているか、銀行は不動産を査定するときにどうやってリスクプレミアムを出しているかと言うと、直近数年の実績で出すのです。直近、不動産がいくらで売買されたかの実績と、その不動産の賃料から計算して利回りの事例を計算して、その利回りを使って不動産の担保価値を計算し、貸付金額を決定しているのです。つまり、

 

直近がバブル相場

 

だった場合、銀行はバブル相場を認容してお金を貸すのです。

これってすごく怖いことです。相場が上昇する場合、どんどん利回りが下がっていく(利回りで収入を割る、つまり利回りは分母なので下がるほど不動産価格が上がっていく)という事です。

当初は緩和により低金利になることで、まずリスクフリーレートの国債利回りが下がります。利回りが下がるので不動産価格はそれだけで上昇します。それが繰り返されていきますと、どんどん加速度的に不動産の理論価格が上昇していってしまうわけです。

 

先ほど、開発行為は世の中に付加価値を生みます、と書きました。しかし、このジャブジャブ環境は、不動産業者の数を、にわかも含めて経済合理性以上に増やしてしまい、その多すぎる不動産業者が、生み出した付加価値以上の粗利を乗せて転売したとしても、買い手不動産業者も数多くいます上に銀行が貸してくれるものですから、買えてしまう、このループによって作られた相場が、私の定義するバブルです。

 

そしてバブルは、銀行マネーがストップすると同時に崩壊します。リーマンショックのような金融ショックで、ですね。

 

CAPMのような理論を研究する学問はファイナンス、という分野です。このファイナンス学、非常~~に若い、歴史の浅い学問でして、その未完成部分を今のところ、「未来は過去の実績で推定できると」いう

 

傲慢な仮説

 

で補っております。

この仮説、未来を読みたい、そして儲けたいという欲望が生み出した魔物です。未来を読んで相場を先読みして自分だけ儲けたいから生まれた仮説です。

 

地道に働く美徳を、私は訴えていきたい、と思ってますので、今後も私は相場師やバブルに対するアンチテーゼに満ちた記事を書いていくだろうと思います。