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ドーハ会合後の世界経済

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昨日17日の日本時間深夜、増産凍結が期待されていた産油国ドーハ会合が物別れに終わってしまい、世界経済と産油国にとっては悲しい結末となってしまいました。

 

イランが増産凍結(10月迄)に合意しない事は予め分かっておりましたが(下記整理をご参照ください)、合意内容の草案(サウジが妥協するのか、増産凍結になりそう!)についての報道があったため、原油先物が高騰し日経平均も上昇しておりました。

皆が、「さあ、G20の影響、そして熊本地震の影響はどんなもんだろうか」と手ぐすね引いて月曜日の寄りつきを待っていたところへ、今朝の「物別れ報道」を見て皆さんガックリ、期待は裏切られた格好となりました。

 

6月2日にOPEC会合が予定されておりますが、OPECの原油価格に対する影響力に昔日の面影はなく、恐らく実効性のある合意が発表されることもないでしょう。ドーハ会合に続く産油国会合(元々は10月、凍結明けを予定)が予定通り開催されるのかどうかは不透明でしょう。

 

元々の今回の会合に至る流れを下記に整理いたします。

 

【前提】サウジとイランはライバル関係。

①米国のシェールガスブームによって産油国に危機感。増産競争がスタート。

②米国の輸出解禁、イランの経済制裁解除、中国経済失速による実需期待低下によって原油価格がダダ下がり

産油国、ピンチ。供給国減産カルテルで原油価格を支えたいところだが、イランは経済制裁を明けたばかりであり、絶対に以前の産油量に戻るまで減産合意しない(ゆえにサウジが妥協するかどうか、が合意のポイント)

④サウジとイランはライバル関係にあり、地域覇権争い的な地政学的観点からカルテル合意が難しい。

⑤にも関わらず、他国からのプレッシャー、また価格はサウジだって下げたくないはず、という点でサウジが妥協するのではないか、いやいやそんな事ないだろう、と市場の思惑も錯綜

⑥合意草案報道があり、10月までの増産凍結合意ニュース、ポジティブサプライズ

⑦今朝、「やっぱり合意出来なかった(笑)」Oh!ネガティブサプライズ

 

という流れになりますでしょうかね。

 

それもこれも、米国の陰謀のせいなんでしょうけれども。

そもそもイランへの経済制裁についても、米国が中東へいらざる介入を始めたことがきっかけでもつれた話なわけですし、こういう時は本当にアメリカが嫌いになります。

 

同じイスラム国家であってもサウジはスンニ派、イランはシーア派です。それでまあ仲があまり宜しくないという背景があるようで、ちょっと日本人である我々にはあまり理解出来ないところでは有りますが、受け売りだけでも書いておこうかと思います。

 

<スンニ派とシーア派の違い>

簡単に言いますと法律の運用を、シーア派は預言者ムハンンマド子孫による世襲指導者を中心にやり、スンニ派は神学者などによる合議や過去の預言者発言などでやる、という違いです。

 

シーア派世襲・独裁、スンニ派が合議・民主的という印象でしょうか。(正確じゃないですよ。分かりやすく書いてるだけです)

スンニ派においてはサウジアラビアのように預言者ムハンマドとは余り関係が無い血族の世襲王政なども認められる余地があります。イスラムの精神にかなった政治がおこなわれていれば良いわけですので。

一方、シーア派は、そのような僭称リーダーは認めたくない、という考え方ですから、よりイスラムにとっては原点を重視する考え方、とでも言いましょうか。

我々日本人の発想でいきますと、スンニ派の方がより現代的(欧米民主的?)でしっくり来るように思えそうです。現に、人口比でいきますとスンニ派が圧倒的多数派であるようです。

ただ、イスラム教を真剣に心の拠り所としている方々にとっては、シーア派の主張も理解出来るのだろうなー、とは容易に想像できます。

 

いずれにしましても、結構

 

根本的な思想対立

 

でありますので、お互いを近隣の仮想敵国のように思っていたとすれば、易々と経済競争で後れをとるわけにはいかなさそうです。また、イラク・シリア情勢に米ロの介入もあったりする中で、イランの地域プレゼンスを抑制したい米国の思惑も絡むと(サウジの後ろ盾は米国です)中々すんなりと解決する話ではなさそうです。

 

正確に言うと、

 

米国がすんなり解決させたがってない

 

ように思います。適切な合意は「ロシアの伸長≒中東らの米国影響力低下」を意味するわけですから。

米国の世界戦略は、超おおざっぱに分けてしまいますと、

A.大西洋をはさんだ欧州中心世界の覇権争い

B.太平洋をはさんだ中国との覇権争い

の二つでしょう。

 

中東での影響力低下は、Aにおける米国の後退を意味しますので・・・。

 

当面は以前の記事でも書きましたように、原油安≒リスクオフ、の地合いですので株価には悪い影響が続くのではないかな、と思います。

しばらくは円高バイアスも維持されてしまうのでは無いでしょうか。

 

明日は、米大統領選との関連について触れてみましょうか・・・

明日考えます(笑)

本当は大統領選に関連してかなり面白い分析が出来ており、是非書きたいのですが、トランプさんの事を考えるとどうしても笑ってしまい、キリが無くなってしまうのですw

では又。

 

(Photo:Wilipedia PD)