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日銀黒田総裁会見要旨

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4月26日から27日水曜日にかけて、日銀政策決定会合が行われ、27日午後、黒田総裁による会見が行われました。

 

はっきり申し上げまして、完全なるネガティブサプライズであり、相場は大きく混乱し、私も先週アップしたドル円の予想(本業多忙につき日経平均はアップ出来てませんえでした)を大外ししてしまう、という悲しい事態になってしまいました。

 

ただ、政策を正しく突き詰めていくと、今回は追加緩和はするべきだったのではないでしょうか。

この為替の混乱、ちょっと想定を超えるものになっていないかどうか、良く振り返ってみて頂きたい物です。

ドル円105円切るような事態になれば、場合によっては為替介入すら必要になってしまうのではないでしょうか。

確かに選挙をにらみますと本格的な円安・株高誘導は6月に入ってからだろう、とは思ってましたが、あんまり5月に下げ過ぎてしまうのも、経済は生き物ですから打撃が大きいといくら翌月に楽しい事が有っても、デフォってしまう個体もある以上よろしくないのでは、と私なんかは思うんですけど。

 

この総裁、サプライズが好きなんですが、信念を持ってやってるんでしょうかね?その方が経済にプラスだ、という信念に。

私としてはドラギマジック、など著名プレイヤーへの個人虚栄的な対抗心だったり、フォワードコミットのような昨今の金融政策手法に対抗してるだけのような、この人、ただ単に人と違ったことがやりたい、っていうだけでやってないか、という疑いを持ってしまうんですが、皆さまはいかがでしょう?

 

いずれにしましても、私が予想を外した、と言いますよりは、政策があまりに稚拙だった、という事で、

 

逆に私じゃなくて日銀の方が外したのだ

 

と、とらえて頂けると宜しいのかも知れません。

 

さて、会見の要旨ですが、大きく以下の通りかと思います。

 

物価上昇率2%目標達成時期を「2017年前半」から、「2017年中」に変更。

②追加緩和しません。

②理由は、マイナス金利効果をもう少し見たいからです。

 

今回、追加緩和を見送ったネガティブサプライズが大きすぎて、又、相場に即・直でハネましたので、②が派手なニュースすぎて印象薄いですが、何気に①も酷いこと言ってます。(最も、物価目標は金融政策だけで達成できないので、黒田総裁だけが悪くありませんが)

 

今回の会合前、市場では追加緩和ほぼ確実、との声が多くあり、私もそのように為替を予想しておりました。その根拠、ポイントは以下の通りだと思います。

 

地震(緩和して景気刺激したいだろう)

②G20での強気発言

③22日金曜日のブルームバーグ報道と、それを受けての銀行株上昇

 

特に③が記憶的にも最も新しく、市場の緩和予想の根拠としても多くを占めていたのではないでしょうか。

①と②については先週以前の記事でかなり触れましたので、ここでは触れずにおきます。

 

③については、ブルームバーグ(と言うよりここの記者さんに余計なことを漏らした日銀の人)を恨むばかりです。

どのような報道であったかと言うと、かなり分かりやすくしてしまうと、「いわゆる公定歩合もマイナスにする」という報道でした。

 

今日銀が金利誘導で直接ターゲットにしているのは、インターバンク短資市場の1日貸借の金利、いわゆるオーバーナイトってやつがメインになっておりますが、マイナス金利導入で対象となったのは、日銀当座預金の預金金利でした。

 

金利政策の他、日銀は現在量的緩和もしており、銀行保有債券(多くは国債)をバシバシと買い上げてます。

ちょっとだけ会計的な話をしてしまいますと、買い上げた代金は銀行が日銀に持つ、当座口座に払い込まれ、銀行BS上は、元々資産「投資有価証券」だったものが資産「当座預金」勘定へ振り替わりとなります。仕訳でいうと、

 

(借方)当座預金 xx /(貸方)投資有価証券 xx

 

元々、投資有価証券(国債)の原資であった貸方勘定は何であったかと言うと、預金(負債)です。ボクタチのお金ですね。

ですので、ALM(借方の資産と原資である貸方を紐付けて管理する手法)的にBS分析しちゃいますと

量的緩和前】

(借方)投資有価証券=(貸方)預金負債

量的緩和後】

(借方)当座預金=(貸方)預金負債

でBSが出来ており、この当座預金にマイナス金利が付されていたわけです。

 

元々の投資有価証券は、低利ながらも国債ですから金利が付いておりました。貸方の預金負債で払わなければならない金利(普通預金金利)に比べて利ザヤが乗っており、銀行は利益を得られていたわけですが、このマイナス金利導入によって、借方が逆ザヤ資産に入れ替わってしまい、銀行の収益は大分圧迫されていたわけです。

 

市場原理が働けば、貸方の預金負債にもマイナス金利が付されることで、銀行の収益は守られるはずなのですが、金融商品金融庁のお伺いを立てませんといじれませんので、銀行がそのマイナス金利分はひっかぶっていたわけです。

 

ところが、22日にブルームバーグが報道した公定歩合マイナス、という事態になりますと、銀行に「日銀からお金を借りよう」というインセンティブが働きます。

今は低金利ですから、個人の預金を原資として貸金をして営業すれば良い、と言う銀行営業がされておりますが、個人預金よりも低利(どころか逆にマイナス)の原資があるのでしたら、これは有難い話です。

 

日銀借入をした場合の銀行BSは、当然ですが下のようになります。

 

(借方)当座預金=(貸方)日銀借入金

 

この貸方がマイナス金利ですので、ブルームバーグ報道が本当であるとすれば、もう今後、マイナス金利によって銀行収益が圧迫されるような事はありません。

 

かくして22日以降、銀行株はガン上げし、日経平均もかなりの上昇をしたわけです。

 

それらの好影響は剥げ落ち、先週末NY市場終値でドル円は106円30銭近く、来週の寄り付きも全く読めません。

下手をしてしまいますと、ドル円104円台、日経平均15,000円割れ、も有り得るのではないでしょうか。

 

(Photo:Wikipedia File:Haruhiko Kuroda at ADB Philippines (crop).jpg)