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世界一貧しい大統領エル・ペペで吉田兼好「徒然草」を思い出しました

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昨年までウルグアイの大統領を務めていた、エル・ペペこと、ホセ・ムヒカ元大統領。

3月末に彼に関する書籍が発売されたことで、先日テレビで彼の功績を称える放送を見る機会がありました。

私もとても好きな政治家さんの一人であり、彼のスピーチから強い感銘を受けた事も有りました。一方、吉田兼好徒然草」の217段の、とあるフレーズが私はとても好きで、経済の真理を表していると思ってます。エルペペのスピーチを聞いてますと、この徒然草のフレーズを思い出すのです。ペペの言葉にも「真理」を感じているのだろうなあ、と我が心理ながら思います。

 

ペペは経済政策においてもきちんと成果を上げた、現実的な政治家さんです。やはり、本当の意味で経済を理解している人は、成果も出せるんですね。

自分の周囲を見回してみましても、財をなしている人は、本稿に書く、真理の一つを理解し、実践しています。改めまして、僕も正しく生きたいなあ、と思いました。

 

<エル・ペペとは?>

元々、ウクライナにおいて、極左ゲリラとして活動をしていました。

チェ・ゲバラ的な事をしていた人です。

それが回り回って、正式な大統領にまで上り詰め、そこでの政策は中道の穏当な政策をとり、ウクライナの発展に貢献しました。

彼を最も世界的に、日本でも有名にしたのは、ブラジルリオで行われた「国連持続可能な開発会議」で行ったスピーチでした。私も彼の事を知ったのはこのスピーチによって、でした。

この開発会議は、2012年に「資源の総量など、地球の限界の枠内で人類が永続的に発展していくには、どうしたらいいか」を話し合う為に各国代表などが集まり開催された会議です。

日本からも外務大臣が出席し、「日本の環境技術は・・・うんぬん」みたいな下世話な話をしました。ここでのペペの演説は、僕としてはビックリする内容でした。内容をザックリ言いますと、

 

「持続可能な開発なんてあるわけないだろ」

 

的なスピーチです。そんな無為な事考える暇があったら、「足ることを知る」ことに時間を使えば?のような話をしたわけです。

僕が何に心を取られたかと言いますと、内容もさることながら会議に出席しておきながら、会議の趣旨を真っ向から全否定するようなスピーチをズバッとする

 

ハートの強さ(空気の読まなさ)

 

でした(笑)

この人きっとB型だろうなぁ、職場にいたらやだなあ(笑)

やっぱりゲリラに身を投じちゃうような自分を曲げない強さ、が出たのでしょうか。

 

但し、玄葉外務大臣(当時)が披歴した、ハナクソのような発表に比べると、その内容は高潔な精神と、経済への正しい認識に裏打ちされた、素晴らしいものだったと思います。

日本からの発表は、日本が環境技術で世界をリードし、地球にやさしい経済発展に資するよう頑張る、というような物です。

それに対して、ペペのスピーチは以下のようなものでした。小国の大統領のスピーチ、皆が大した期待をしていなかった中、そのスピーチが終わると、万来の拍手が起こったそうです。

 

(以下青字がペペのしたスピーチ内容です)

「会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。

ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。

しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。

息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?

マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?

このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。

現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。

ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。

石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

昔の賢明な方々、エピクロスセネカアイマラ民族までこんなことを言っています

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。羊も800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。」

(別ブログより転載。http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/

 

手段と目的をはき違えるな、という事ですよね。すごくこのスピーチ、好きです。

 

吉田兼好徒然草、日本人ならみんな知っていると思います。その徒然草の217段にこのようなくだりがございます。

 

「そもそも、人は、所願を成ぜんがために、財を求む。銭を財とする事は、願ひを叶ふるが故なり。所願あれども叶へず、銭あれども用ゐざらんは、全く貧者と同じ。何をか楽しびとせん。」

 

人はお金をあくまで使う為に稼ぐ。貨幣はただの紙ッキレなのに使わないで貯めるのでは、貧乏人と同じ、という話ですね。

幸せな時間が欲しくて働くんですが、長時間働いて、目的である時間を失う・・・

 

こんな記事を書きつつ、明日からまたFXにエネルギーと時間を使う、ワタクシです。 外為投資自体が楽しいから、いいんですかね?

人間は悲しい生き物ですね。

 

(Photo:Wikipedia Pepemujica2.jpg by Roosewelt Pinheiro/ABr - Agencia Brasil)

ドル円相場予測、5月第2週は?

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GWを挟み、記事アップが大分滞ってしまいました。

その間、世界経済はイベント目白押し、まさに記事のネタには事欠かなかったのですが、そういう意味では残念でした。

本日はいつものように攻める相場予測をした後、GWから本日までのイベントについて振り返ってみたいと思います。

 

【結論】

5月9日月曜日からの週のドル円は、

高値:108円

安値:104円50銭

と予測します。

 

【予測の理由】

・・・の前に。

 

最近は本当に色々なイベントがございました。

前回記事でも触れた日銀会合の結果も含めバッサリと整理いたしますと、本日までのめぼしいイベントは以下の通りかと思います。

 

①日銀ネガティブサプライズ、追加緩和見送り⇒凄い円高になりましたよねー

②欧州の経済指標に目新しい事項は無し⇒ユーロ方面に新たな材料見当たらず

③米財務省が発表した為替監視対象国に日本が入った⇒後述します。一般的には、為替介入を封じられたので超円高材料、と言われてますね。

④安倍首相の欧州歴訪、財政出動の根回し⇒いい事ですが、「円安誘導するだろう」という私の予測にやや影を落とすイベントです

⑤米国雇用統計が弱含みで発表された⇒米利上げが先送り?円高材料ですね。

 

ここまでの当サイトでの予測のベース・根底には、

・政治サイドが本格株高(≒円安)誘導に動くのは選挙に影響を及ぼせる6月

・円安誘導、極論為替介入にだって、米国が何と言おうと政治は動くはず

という前提がございました。

 

ここにきまして、上述③と④のイベントは、その前提をやや覆さなければいけないかも、と思わせるものでした。

③(監視対象)だけであればそんなに気には留めなかったのですが、④の行脚から政権の意図が少し透けて見えて来たと言いますか、

 

7月選挙で増税延期を打ち出す可能性が高い

 

のではないか、と見えました。

だったら何なの、とのお声が聞こえてきそうです。

 

私が政権は6月位には、選挙を見据えて円安誘導(≒株高誘導)を必ずしてくるだろう、と予測していましたのには、更に以下の前提があっての事でした。

 

増税延期はもっとギリギリ、後で言うのではないか。衆参同時であれば、安倍さん悲願の憲法改正を見据えてやったかも知れないが、地震でそれが伸びた以上、ここで切るカードは「株高」カードだけで良いはず。

 

ところが、今回の欧州歴訪においては、財政出動に関する共同声明の根回し行脚をしていたようです。

財政出動、つまりニヤリーイコール増税延期ですね。

地震による財政出動は当然あるのでしょうけれども、こういった災害関連公共事業については日本人のセンチメントから言っても、政治的根回しなど不要でしょう。

この根回しでやろうとしている財政出動は何か?

更なる道路?

新幹線の延伸?

ダム?

いやいや、普通にここまでの流れを考えて、「消費増税延期」でしょう。

 

当然ですが、減税は選挙における言わば、最強のキャッチフレーズです。安倍さんの頭にある7月選挙の目玉は恐らく「増税延期」なのではないでしょうか。

 

そうしますと、増税延期になぜ、わざわざサミット参加予定国に根回し行脚を、こんなに大がかりにやるのでしょうか。私としましてはそこに大変な気持ち悪さを感じます。

「つまり、想像以上に増税延期の抵抗が強く、そうでもしないと増税延期を今の時期に打ち出せないということ?なの?そうなの?安倍さん」

という気持ち悪さです。

 

わざわざスティグリッツや、クルーグマンといったポストケインジアン学者を呼んで、増税延期の下地は作れていたんじゃないのかなー、と地べたを這いつくばるワタクシ一般人からは見えていたのですが、実際はそうでは無かったのでしょうか。

 

ともかくそうしますと、安倍さんとしましては、何とかサミット声明に、最低限「こじつけで、財政出動合意があったよ、と屁理屈が言える程度の表現」くらいはねじ込むのでしょう。

 

ちなみに財政出動への各国スタンスとしましては、私が新聞散らし読みした限りで、

・イタリア、フランス⇒賛成

・アメリカ⇒ほんのちょっと不賛成気味の賛成(イミフ?ごめんなさい)

・イギリス⇒やや不賛成

・ドイツ⇒超不賛成

と言うような感じです。

 

ハッキリ言いまして、発言力のある国は不賛成に回っているようです。

ドイツは単体で見れば完全に経常黒字のインフレエリア、アメリカも金利上げがチラ見えする位ですから(翳りでてますが)財政出動での景気刺激は流石に有りませんでしょう。

 

但し、オバマさんはとっても微妙な言い回しをしてます。

財政出動については触れず(質問にまっすぐ答えず?)アベノミクスを応援するぞ、みたいな発言です。なので、アメリカのスタンスについてだけイミフになってしまいました。

 

要は中立、ってことです。いつの世も中立を取り込んだ側が天下を取ります。つまり、アメリカ次第で、G7声明に安倍さんの希望するフレーズをシレっとねじ込めそうな状況、という事なんではないでしょうか。

 

そして、今アメリカが欲しがってる物はなんでしょうか?

そう、

 

ドル安

 

ですね。

私は上述の③について、日本が為替介入しづらくなる材料、と言いますよりは、米国がドル安を目指したがっているという事の宣言、と受け止めたわけです。

長々と何が言いたいかと言いますと、

「安倍さんは、円安株高をやや諦め(≒米国にドル安を提供する代わりに)G7声明にひと工作し増税延期を獲りにいくのではないか」

ということです。

 

とは言え、日経平均で15,000円、まあドル円で言うと103円、と言ったところでしょうか。

ここを下回るような極端な情勢を呼んでしまうと選挙でも不利でしょうから、そうなったら流石に動くんでしょうけれども、そのくらいの相場までは円高、と言いますより

 

ドル安を許容

 

するんじゃないかなあー、と予測の前提を読み替えました。少なくともサミットのある再来週までは。

かくして、一番上、結論のところの予想数字、といたしました。

 

長期的には、サミット終わればこっちのもの、とばかりに6月15日16日の政策決定会合では緩和拡大に踏み切って、110円くらいまでは戻すかなあ、なんて思ってます。

日銀黒田総裁会見要旨

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4月26日から27日水曜日にかけて、日銀政策決定会合が行われ、27日午後、黒田総裁による会見が行われました。

 

はっきり申し上げまして、完全なるネガティブサプライズであり、相場は大きく混乱し、私も先週アップしたドル円の予想(本業多忙につき日経平均はアップ出来てませんえでした)を大外ししてしまう、という悲しい事態になってしまいました。

 

ただ、政策を正しく突き詰めていくと、今回は追加緩和はするべきだったのではないでしょうか。

この為替の混乱、ちょっと想定を超えるものになっていないかどうか、良く振り返ってみて頂きたい物です。

ドル円105円切るような事態になれば、場合によっては為替介入すら必要になってしまうのではないでしょうか。

確かに選挙をにらみますと本格的な円安・株高誘導は6月に入ってからだろう、とは思ってましたが、あんまり5月に下げ過ぎてしまうのも、経済は生き物ですから打撃が大きいといくら翌月に楽しい事が有っても、デフォってしまう個体もある以上よろしくないのでは、と私なんかは思うんですけど。

 

この総裁、サプライズが好きなんですが、信念を持ってやってるんでしょうかね?その方が経済にプラスだ、という信念に。

私としてはドラギマジック、など著名プレイヤーへの個人虚栄的な対抗心だったり、フォワードコミットのような昨今の金融政策手法に対抗してるだけのような、この人、ただ単に人と違ったことがやりたい、っていうだけでやってないか、という疑いを持ってしまうんですが、皆さまはいかがでしょう?

 

いずれにしましても、私が予想を外した、と言いますよりは、政策があまりに稚拙だった、という事で、

 

逆に私じゃなくて日銀の方が外したのだ

 

と、とらえて頂けると宜しいのかも知れません。

 

さて、会見の要旨ですが、大きく以下の通りかと思います。

 

物価上昇率2%目標達成時期を「2017年前半」から、「2017年中」に変更。

②追加緩和しません。

②理由は、マイナス金利効果をもう少し見たいからです。

 

今回、追加緩和を見送ったネガティブサプライズが大きすぎて、又、相場に即・直でハネましたので、②が派手なニュースすぎて印象薄いですが、何気に①も酷いこと言ってます。(最も、物価目標は金融政策だけで達成できないので、黒田総裁だけが悪くありませんが)

 

今回の会合前、市場では追加緩和ほぼ確実、との声が多くあり、私もそのように為替を予想しておりました。その根拠、ポイントは以下の通りだと思います。

 

地震(緩和して景気刺激したいだろう)

②G20での強気発言

③22日金曜日のブルームバーグ報道と、それを受けての銀行株上昇

 

特に③が記憶的にも最も新しく、市場の緩和予想の根拠としても多くを占めていたのではないでしょうか。

①と②については先週以前の記事でかなり触れましたので、ここでは触れずにおきます。

 

③については、ブルームバーグ(と言うよりここの記者さんに余計なことを漏らした日銀の人)を恨むばかりです。

どのような報道であったかと言うと、かなり分かりやすくしてしまうと、「いわゆる公定歩合もマイナスにする」という報道でした。

 

今日銀が金利誘導で直接ターゲットにしているのは、インターバンク短資市場の1日貸借の金利、いわゆるオーバーナイトってやつがメインになっておりますが、マイナス金利導入で対象となったのは、日銀当座預金の預金金利でした。

 

金利政策の他、日銀は現在量的緩和もしており、銀行保有債券(多くは国債)をバシバシと買い上げてます。

ちょっとだけ会計的な話をしてしまいますと、買い上げた代金は銀行が日銀に持つ、当座口座に払い込まれ、銀行BS上は、元々資産「投資有価証券」だったものが資産「当座預金」勘定へ振り替わりとなります。仕訳でいうと、

 

(借方)当座預金 xx /(貸方)投資有価証券 xx

 

元々、投資有価証券(国債)の原資であった貸方勘定は何であったかと言うと、預金(負債)です。ボクタチのお金ですね。

ですので、ALM(借方の資産と原資である貸方を紐付けて管理する手法)的にBS分析しちゃいますと

量的緩和前】

(借方)投資有価証券=(貸方)預金負債

量的緩和後】

(借方)当座預金=(貸方)預金負債

でBSが出来ており、この当座預金にマイナス金利が付されていたわけです。

 

元々の投資有価証券は、低利ながらも国債ですから金利が付いておりました。貸方の預金負債で払わなければならない金利(普通預金金利)に比べて利ザヤが乗っており、銀行は利益を得られていたわけですが、このマイナス金利導入によって、借方が逆ザヤ資産に入れ替わってしまい、銀行の収益は大分圧迫されていたわけです。

 

市場原理が働けば、貸方の預金負債にもマイナス金利が付されることで、銀行の収益は守られるはずなのですが、金融商品金融庁のお伺いを立てませんといじれませんので、銀行がそのマイナス金利分はひっかぶっていたわけです。

 

ところが、22日にブルームバーグが報道した公定歩合マイナス、という事態になりますと、銀行に「日銀からお金を借りよう」というインセンティブが働きます。

今は低金利ですから、個人の預金を原資として貸金をして営業すれば良い、と言う銀行営業がされておりますが、個人預金よりも低利(どころか逆にマイナス)の原資があるのでしたら、これは有難い話です。

 

日銀借入をした場合の銀行BSは、当然ですが下のようになります。

 

(借方)当座預金=(貸方)日銀借入金

 

この貸方がマイナス金利ですので、ブルームバーグ報道が本当であるとすれば、もう今後、マイナス金利によって銀行収益が圧迫されるような事はありません。

 

かくして22日以降、銀行株はガン上げし、日経平均もかなりの上昇をしたわけです。

 

それらの好影響は剥げ落ち、先週末NY市場終値でドル円は106円30銭近く、来週の寄り付きも全く読めません。

下手をしてしまいますと、ドル円104円台、日経平均15,000円割れ、も有り得るのではないでしょうか。

 

(Photo:Wikipedia File:Haruhiko Kuroda at ADB Philippines (crop).jpg)

ドル円為替相場予測【攻める予測!】

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今週もやってまいりました、攻める予測!

まずは答え合わせです。

【予想】安値109円、高値112円

【実際】安値107.835円、高値111.805円

 

見事的中(?)です!!!

 

実際の安値は週明けの寄り付きでほんの一瞬付いただけの価格であり、実質的には109円近辺が安値として機能しておりました。ですので実質的には的中と言えますでしょう。

 

え?ハズレじゃないか、って?いえいえ。攻める予測、ですので。

 

答え合わせも攻める

 

んです。

 

さて、それでは来週4/25~のドル円レンジ良そうですが、ズバリ!

110円80銭~113円ジャスト

とさせて頂きます。

 

今週のドル円ですが昨夜NY寄り付きからググっと値を上げまして黒田ラインを超えて111円80銭まで上がっていきました。きっかけはGSのリポートだそうで、追加緩和を予測した内容だったそうです。

 

僕と同じ予想ですね(フフ)!

 

あのファッキンユダヤの読み通り、来週27日に日銀追加緩和があることは間違いなく、且つそれもそれなりの規模になっていく事でしょう。金融機関向け貸し出しの金利(旧公定歩合)へのマイナス金利導入、もウワサされております。

先週予測にも書きましたとおり、G20での麻生・黒田ツッパリ、地震(による米国のお目こぼし)などを総合的に考えあわせますと、自然そのようになっていくか、と思います。

 

米国が為替に関して強い態度を取り始めるラインと言いますのが、個人的には120円~、と思ってます。そこまでは、米国要人も一部の人は当然牽制的な発言もしますが(G20後のルー長官のように)、他の一部の人は「急激な為替変動は望ましくない」のような発言もしたり、比較的発言に制限が掛かってないと言いますか、団体的なコンセンサスに基づいていないと言いますか、緩い気がします。

 

一方、120円超え辺りからは、目立って厳しい声に変わって参りますし、トランプさんの日本バッシング(の内為替に関すること)についても、ちょうどトランプさんが立候補した辺りはFOMC利上げのドル安影響が落ちきっていない、120円台で推移するドル円、という印象の時期であったと思います。

 

かくして、日本政府も120円くらいまでは余り遠慮をせず、特に6月以降選挙が見えてきた辺りにおいては比較的ガンガン攻めてくるものと思います。

 

地震対策も、首相がようやく熊本入りしましたし(被災地も少し落ち着いたということでしょう)選挙的視点から言いますといよいよ正念場でしょう。

来週は日経平均を上げにかかる週、黒田総裁も追加緩和をガッチリやってくる週となるのではないでしょうか。特にFOMCが非常にフラットな会見になることがほぼ確実視されておりますので、日銀としては少し頑張りませんと円安方向への誘導は出来ません。

 

来週の相場としましては、以下の流れを予測させて頂きます。

 

①週明け寄り付きからは先週末の反発でやや下げ、安値は110円80銭、黒田ラインをやや下回った位でフロアーが有り下げ渋る

②火曜日は日銀会合待ちで鈍い動きがありながら

③27日、会見で日銀満額回答!一気に113円へ上げに転じる

 

相場は以上です。

 

後は個人的に気になる所、興味を持って次回会合を待っている部分としましては、日銀からの金融機関向け貸し出し、ここにマイナス金利が適用されるのでは、という観測です。

銀行株が金曜日、一気に上がりましたよね。

 

先週のECBの導入を聞き、私も、これは良い方法だと思いました。(私は何様でしょうw)

 

先日クレディスイスの方から欧州におけるマイナス金利の影響を伺ったところ、ちょっと奇妙な現象が起きているやに聞きました。

 

なんと住宅ローン金利が逆に上昇している

 

と言うのです。

銀行はマイナス金利による収益の悪化を、リテールに転嫁せざるを得ずにこのような事態に至ったという事で、合成の誤謬の恐ろしさを改めて意識させられます。

確かに個別の金融機関からしますと、市場はコントロール出来ませんので、自己の経営の為にいじれる部分としては個人客向けの金利くらいですもんね。

 

ところが、中央銀行の金融機関向け貸し出しがマイナス金利、という事であれば、銀行としても貸し易くなりますよね。収益もアップします。

 

27日の日銀総裁会見、果たしてサプライズはあるのでしょうか?!楽しみです。

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日経平均は高値推移、為替ドル円はいよいよ安定

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スーパーニュース予想(16,800円)を上回り、日経平均が1万7,000円を超え、高値で推移しております。

昨日まではこの上振れについて、あくまでドーハ会合サプライズの反動であって、まだまだ地震の影響が有る為16,800円が上限であることは変わらないであろうと思っておりました。

 

原油とドル円が安定推移しているものの、地震の影響へのネガティブ観測から上値は重い物と考えておりましたが、熊本地震の経済全体への影響が、雰囲気的にも大分目鼻がついてきて投資家のリスクオフマインドをさほど刺激しなくなってきたことがこの数字に表れているものと思います。

 

予想については、ドル円は据え置きますが、日経平均については修正させて頂こうと思います。

 

【ドル円予想】109円からスタート、111円を超えて、112円まで迫る⇒据え置き(但しここまでの円安には至らず外しそうですが笑)

日経平均予想】

(従来予想)15,900円~16,800円、最終的には16,200円程度

(変更予想)15,900円~17,500円、最終的には17,000円程度

⇒やはり、地震がネガティブ材料であることは変わりませんので、ここ一層の相場上昇が今週中(=明日)にある、とは思えません。週の終値は17,000円近くなのではないか、と予想します。

 

※尚、本稿は投資助言を企図する記事ではありません。本稿の情報を元に投資することは適切ではなく、あくまで本稿は経済に関するスーパーニュースの論説に過ぎません。

(Photo:Wikipedia20160419 Tokyo stock exchange.jpg by Chris 73)

【速報】ドル円安定、日経平均17,000超に

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為替が大分落ち着いて推移しているようです(原油が落ち着いている)。

 

それを受けて日経平均も17000円を超え、スーパーニュース予想を上回って推移しているようです。

(参考:スーパーニュースの先週末時点の予想)

【ドル円】109円からスタート、111円を超えて、112円まで迫る

日経平均15,900円~16,800円、最終的には16,200円程度

 

とりあえず据え置きとしたく思いますが、ドル円についてはあまりに安定的に推移しておりますのと、熊本地震の影響も大分読めてきたところと思いますので、円安誘導のコメントが日本要人から出そうにありませんので、天井が110円未満、の可能性があります。

 

日経平均については、ドーハサプライズ⇒意外と安定というサプライズ、という勢いによる上げと見ますので、予想は据え置き、実力的なところの天井は16,800円のままと読みます。

※尚、本稿は投資助言を企図する記事ではありません。本稿の情報を元に投資することは適切ではなく、あくまで本稿は経済に関するスーパーニュースの論説に過ぎません。

(Photo:Wikipedia20160419 Tokyo stock exchange.jpg by Chris 73)

セブン&アイ・ホールディングス新体制

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小売の雄セブン&アイホールディングスに長年君臨してきた、「天皇」こと鈴木敏文会長をトップとする体制が、井阪セブンイレブン社長をトップとする体制へと移行する、と先週報じられました。

 

日本にコンビニという業態を持ち込んだカリスマの功績は、経済史に残るものと言えるでしょう。今やコンビニは「業態」と言いますより「文化」と言っても言い過ぎでは無いと思います。ローソン、ファミマ、後発店は数多くありますが、全てこの鈴木氏のチルドレンと言っても過言ではないでしょう。

日本のコンビニは今やアジア各国にも進出しており、各地域でも受け入れられております。業態の進出・輸出と言いますよりも、文化の輸出、の方がしっくり来る、と私などは思ってしまうのですが、皆さんは如何でしょうか?

 

19日の同社取締役会において正式決定したそうです。

 

ある記事がポストカリスマ体制のセブン&アイについて、「カリスマ不在の小売はもろく、ダイエー、マイカル等の例に見られるように今後の同社が懸念されるような意見もあるが、同社に限っては、鈴木イズムが組織に浸透しており、且つ人材の層が厚い為不安は無い。」と論説してました。

 

同社の内情を深く知る術が無い以上は、推測でしかありませんが、私は同記事についてはあまり同意出来ません。

 

ある面白い研究があります。

世界の同族企業の時価総額増加額と、経営トップが創業一族ではない企業の時価総額増加額を比較したところ、圧倒的に同族企業の増加額の方が勝ったそうです。セブン&アイは伊藤一族により創業された会社で、鈴木氏は創業者ではありませんが、実質的にはイトーヨーカ堂を主体とするのではなくセブンイレブンに本体ヨーカ堂が呑みこまれる形でHD化した会社であり、セブンイレブンの創業は鈴木氏が行いましたので、本稿においてはセブン&アイは鈴木氏が創業した、という実体面に着目して記事を進めてまいります。

 

その論文を掲載していた雑誌は、「どうだ意外だろう」というような論調を取っていたのですが、私は少しも意外ではないな、と思いました。

この結果に対する論文の分析とも一部重複しますが、私は以下理由により、これは当然の結果であると思います。

 

①長期的視点での経営が可能

⇒まず個人として裕福であり、個人的利益を追求する必要がありません。又、地位が安定しており短期的利益を追求しなかったとしても、退任を迫られる恐れがありません。何よりも血縁的に企業への愛着が強く、長期的視点で意思決定しがちです。

②意思決定が早い

⇒当然ですが、創業者やその親族は社内の誰からも「特別な目」で見られますので、実質的に一人で意思決定します。一人の人間の納得で結論が出ますので、スピーディーに経営できます。

③大胆な意思決定が可能でイノベーションが生まれやすい

⇒大胆な仮説を実証できます。普通の合議で意思決定する組織ですと、仮説が大胆であればあるほど実証に反対する、又は緩やかな実証を主張する人が多くなりますから、実証出来ない、或いはスモールスタート過ぎて仮説の検証がやりきれないまま実験が終わってしまう、などイノベーションの芽が摘まれます。又、オーナーシップを持っているケースがほとんどですので、失敗した際に責任が取り切れます。自分が財産を喪う、という形で責任を取るわけですので。(サラリーマン社長が取れる責任はせいぜい「辞任」まで、です。辞任なんて、本当の意味では責任とってないですよね)

 

一方、デメリットもあります。しかし、実際にはそのデメリットはメリットを下回るようです。

 

①個人の能力に依存する

⇒いわゆるバカな二代目の場合、会社の能力が著しく低下してしまう。ただ、余りにバカな後継者の場合は創業者がそれを継がせず、サラリーマン社長を任命するケースも多いでしょう。

②大規模な失敗がありえる

⇒大胆な意思決定が可能な為、リスクを多く取る場合があります。過大なリスクテイクをしつつ、意思決定にミスがあった場合、倒産してしまう事も有り得ます。但し撤退の意思決定も一人でスピーディーに可能です。

 

実際に周囲を見回してみましても、雇われ社長で大きな成果を出している人をあまり見かけません。せいぜい就任時比で利益5%増、程度ではないでしょうか?

 

やはり鈴木氏の功績は大きく、セブン&アイの将来に対して、個人的には不安を感じます。

人材の層が厚い=自負・自我の強い人が多い、という事でもあります。カリスマがいなければいないほど意思決定が遅くなる、又は出来なくなります。

これを回避する方法は、有能な人別に組織を大胆にセグメンテーションし、外見上は一社であっても実質上、企業を分割することです。

 

但し、その場合、事業セグメントを超えた連携は喪われ、せっかくここまで大きくなった会社ですが、規模の小さな会社からやり直し、すなわち10マス戻る状態になってしまいます。

それでも、層の厚い人材の中に真に有能なマネジメントがいれば、その規模を縮めた事業セグメントが、やがては今のセブン&アイを超えるようになっていくのでしょう。

 

僕はコンビニでは、ダントツにセブンイレブンが好きです。100m程度の距離の差であれば僕はセブンに行きます。(※ローソンのからあげクンレッド味を除く)

 

トランプさんも昨日、9.11(ナインイレブン)を間違えて7.11(セブンイレブン)と発言し、NYっ子のヒンシュクを買っていたようですし(笑)

 

頑張れ、セブンイレブン

 (Photo:Wikipedia 7andiHoldings.jpg by Rei at en.wikipedia)