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セブン&アイ・ホールディングス新体制

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小売の雄セブン&アイホールディングスに長年君臨してきた、「天皇」こと鈴木敏文会長をトップとする体制が、井阪セブンイレブン社長をトップとする体制へと移行する、と先週報じられました。

 

日本にコンビニという業態を持ち込んだカリスマの功績は、経済史に残るものと言えるでしょう。今やコンビニは「業態」と言いますより「文化」と言っても言い過ぎでは無いと思います。ローソン、ファミマ、後発店は数多くありますが、全てこの鈴木氏のチルドレンと言っても過言ではないでしょう。

日本のコンビニは今やアジア各国にも進出しており、各地域でも受け入れられております。業態の進出・輸出と言いますよりも、文化の輸出、の方がしっくり来る、と私などは思ってしまうのですが、皆さんは如何でしょうか?

 

19日の同社取締役会において正式決定したそうです。

 

ある記事がポストカリスマ体制のセブン&アイについて、「カリスマ不在の小売はもろく、ダイエー、マイカル等の例に見られるように今後の同社が懸念されるような意見もあるが、同社に限っては、鈴木イズムが組織に浸透しており、且つ人材の層が厚い為不安は無い。」と論説してました。

 

同社の内情を深く知る術が無い以上は、推測でしかありませんが、私は同記事についてはあまり同意出来ません。

 

ある面白い研究があります。

世界の同族企業の時価総額増加額と、経営トップが創業一族ではない企業の時価総額増加額を比較したところ、圧倒的に同族企業の増加額の方が勝ったそうです。セブン&アイは伊藤一族により創業された会社で、鈴木氏は創業者ではありませんが、実質的にはイトーヨーカ堂を主体とするのではなくセブンイレブンに本体ヨーカ堂が呑みこまれる形でHD化した会社であり、セブンイレブンの創業は鈴木氏が行いましたので、本稿においてはセブン&アイは鈴木氏が創業した、という実体面に着目して記事を進めてまいります。

 

その論文を掲載していた雑誌は、「どうだ意外だろう」というような論調を取っていたのですが、私は少しも意外ではないな、と思いました。

この結果に対する論文の分析とも一部重複しますが、私は以下理由により、これは当然の結果であると思います。

 

①長期的視点での経営が可能

⇒まず個人として裕福であり、個人的利益を追求する必要がありません。又、地位が安定しており短期的利益を追求しなかったとしても、退任を迫られる恐れがありません。何よりも血縁的に企業への愛着が強く、長期的視点で意思決定しがちです。

②意思決定が早い

⇒当然ですが、創業者やその親族は社内の誰からも「特別な目」で見られますので、実質的に一人で意思決定します。一人の人間の納得で結論が出ますので、スピーディーに経営できます。

③大胆な意思決定が可能でイノベーションが生まれやすい

⇒大胆な仮説を実証できます。普通の合議で意思決定する組織ですと、仮説が大胆であればあるほど実証に反対する、又は緩やかな実証を主張する人が多くなりますから、実証出来ない、或いはスモールスタート過ぎて仮説の検証がやりきれないまま実験が終わってしまう、などイノベーションの芽が摘まれます。又、オーナーシップを持っているケースがほとんどですので、失敗した際に責任が取り切れます。自分が財産を喪う、という形で責任を取るわけですので。(サラリーマン社長が取れる責任はせいぜい「辞任」まで、です。辞任なんて、本当の意味では責任とってないですよね)

 

一方、デメリットもあります。しかし、実際にはそのデメリットはメリットを下回るようです。

 

①個人の能力に依存する

⇒いわゆるバカな二代目の場合、会社の能力が著しく低下してしまう。ただ、余りにバカな後継者の場合は創業者がそれを継がせず、サラリーマン社長を任命するケースも多いでしょう。

②大規模な失敗がありえる

⇒大胆な意思決定が可能な為、リスクを多く取る場合があります。過大なリスクテイクをしつつ、意思決定にミスがあった場合、倒産してしまう事も有り得ます。但し撤退の意思決定も一人でスピーディーに可能です。

 

実際に周囲を見回してみましても、雇われ社長で大きな成果を出している人をあまり見かけません。せいぜい就任時比で利益5%増、程度ではないでしょうか?

 

やはり鈴木氏の功績は大きく、セブン&アイの将来に対して、個人的には不安を感じます。

人材の層が厚い=自負・自我の強い人が多い、という事でもあります。カリスマがいなければいないほど意思決定が遅くなる、又は出来なくなります。

これを回避する方法は、有能な人別に組織を大胆にセグメンテーションし、外見上は一社であっても実質上、企業を分割することです。

 

但し、その場合、事業セグメントを超えた連携は喪われ、せっかくここまで大きくなった会社ですが、規模の小さな会社からやり直し、すなわち10マス戻る状態になってしまいます。

それでも、層の厚い人材の中に真に有能なマネジメントがいれば、その規模を縮めた事業セグメントが、やがては今のセブン&アイを超えるようになっていくのでしょう。

 

僕はコンビニでは、ダントツにセブンイレブンが好きです。100m程度の距離の差であれば僕はセブンに行きます。(※ローソンのからあげクンレッド味を除く)

 

トランプさんも昨日、9.11(ナインイレブン)を間違えて7.11(セブンイレブン)と発言し、NYっ子のヒンシュクを買っていたようですし(笑)

 

頑張れ、セブンイレブン

 (Photo:Wikipedia 7andiHoldings.jpg by Rei at en.wikipedia)